2014年08月

47-1
ハンドメイド商品を取り扱うECサイトと言えば、欧米を中心に人気の「Etsy」や「Fab」 が有名だ。今回は、この大手2社の後を猛スピードで追う「Pinkoi」というという台湾のECサイトを紹介しよう。

 

「Pinkoi」は台湾発のデザイナー・ハンドメイド商品を扱うEC

 

Pinkoiは、2011年に台湾でローンチしたソーシャルEコマースである。アジアを拠点に、台湾の優れたデザイナー製品やハンドメイド商品を低価格で提供している人気のECだ。Pinkoiの名前の由来は、「Pink(ピンク色)」と日本語の「koi(恋・来い)」から来ている。当初は、女性をターゲットにしており、このビジネスに幸運が来るようにという願いが込められている。

 

2011年のローンチ後たった1年で、Etsyの初年度売上高の2倍の約3,400万円を記録したPinkoiは、2013年現在、月間PV400万を誇るECサイトに成長している。この爆発的な成長を支えている理由は数多くあるが、優れた台湾の工芸品やデザイナーの商品を取り扱う人気のECサイトが、台湾ではPinkoiしか存在しないことは、大きな差別化要因となっている。

 

このPinkoiを台湾唯一の存在に育てたのが、創業者のPeter Yen(顏君庭)氏だ。彼はYahoo!にいた時に「Etsyのようなデザインにフォーカスしたwebサイトが台湾にはない」という問題意識を抱え、「台湾の独立したアーティストの商品を、世界中に広める」ことを実現すべく、Pinkoiを創業したのだ。

 

2億円規模の資金調達で世界を狙う

 

現在、Pinkoiは150万〜200万米ドル(約1.5〜2億円)の大型の資金調達を計画中である。この巨額の資本投入で、香港、中国、シンガポール、日本、マレーシアといったアジアを中心に、一気に世界に打って出るつもりだ。

 

実は、Pinkoiには2011年の段階で、いくつかのファンドから投資のオファーが来ていた。しかし、それを断り、これまでスケールアウトのために入念な準備をしてきた。巨額の資金を得たPinkoiの勢いは、 一気に世界へと加速すると考えられている。

 

差別化が求められる日本のハンドメイドEC

一方で、日本でもEtsyのようなハンドメイドのECサイトが続々と出現しているが、台湾とは少し状況が異なる。tetoteminneCreemaiichiといったように、非常に賑やかな顔ぶれとなっている。しかしながら、それぞれのECサイトにはまだ特徴がないため、差別化には工夫が要るようだ。

 

47-2
47-3
47-4
47-5

 

まとめ 

Etsy、Fab、Pinkoiのような資本力のある大手三者が日本で展開すると、既存のマーケットは大きく影響を受けるだろう。日本の多くのハンドメイドECが、いずれ淘汰されるか、あるいはまたは統合されることも十分あり得る。

 

Etsyのような美しく使いやすいUIやデザインを真似ることは簡単だが、生き残るためにはただ真似るだけでなく、早い段階で何かしらの「差別化」を図ることが必須だ。日本を含めてEtsy、Fab、Pinkoiが世界中で顔を合わせ、勝負する日は近い。引き続き、3社の動向に注目していきたい。


本日は、通常のニュースを休んで「イノベーションとは?」 「ベンチャー性とは?」をテーマにした記事を3本お送りします。

まじめに規則を守って仕事をすればするほど、ダメになっていく日本

 ▼いつも結論は、「やめましょう」になる
 どんな組織からも出てくるんですよね、ルールばかり気にする人が。
 石橋を叩きに叩いて、最後は叩き割る。

 過去の事例に学んで規則を積み上げると、何が起こるのか。
 規則だらけで、解が無くなるんですよね。
 あるいは、部門間の調整にとてつもなく時間がかかったり。

 ▼ルールを守ることは失敗を恐れてやらないこと
 結局、ルールにがんじがらめになった、日本の多くの半導体メーカーは敗退しました。
 ルールがないので、三星は失敗もしますが、斬新なチャレンジもする。
 ルールを守ることに汲々とするより、まず、やってみる。
 そして、失敗して直した方が、失敗を恐れて停滞するより良いのではないか。

 # 日本は本質的じゃないところでオーバースペックであることが多いです。
 # ミスしてもいいようなところに敏感になりすぎている印象があり、
 # 良く言えば丁寧ですが、悪く言えば表面的なことに工数をかけすぎなのかもしれません。

エンジニア1人で世界を変えられる時代、日本からイノベーションを起こすには
 # 最初の記事の「ルール・調整コスト」問題について
 # 現在成功している立場の方々の発言です。

 ▼MIT Media Lab所長 伊藤穰一氏
 「やるかやらないかを会議で議論し、考えるコストが、やるコストを上回ってしまう。
  パーミッションレスにしないと、イノベーションはできない」

 ▼LINE社長 森川亮氏
 「LINEは事業計画を作らない」
 「日本人は計画が好きで、一度計画を作るとなかなか壊せず、戦略変更を時間をかけて説明しないといけない。
  計画を作らなければ、変えるのも簡単で、スムーズに動ける」
  戦略や目標も、あえてあいまいにするという。
 「もやもやして不安になるが、混沌があるからこそ、何かを生み出さないと生き残れないという緊張感が生まれ、
  新しいものを提案するプロセスができてくる。変化に柔軟に対応し、今求められているものを提供するのが大事だ」

インターネットはクラシック音楽を救えるか? ベルリン・フィルの革新と挑戦
 # やや毛色が違う、年間149ユーロ(2万円)ですべての定期演奏会を
 # ストリーミング視聴できる「デジタル・コンサートホール」を持つベルリン・フィルの記事です
 # 直接の営利を目的としていないからこそできる面はありますが、
 # 視野の広い示唆に富んだ話です。

 わたしたちはソニーと提携して新たなシステムをつくり上げました。
 それなりの投資が必要なプロジェクトでしたが、わたしたちがやったことを見て、
 今後劇場やオペラハウスで同じような仕組みが導入されることになるはずです。

 ──アイデアを盗まれた、ということですか(笑)?

 いえいえ。とんでもない(笑)。
 どんどんみなさんにわたしたちの知見をお伝えしたいのです。
 世界はまだまだ広く、インターネットによってできることの可能性は無限に広がったわけですから、
 視察に来る人をいちいち競合とみなす必要はありません。
 むしろ、ほかのホールや劇場やオーケストラがやってくれたほうが、
 マーケットを教育するという意味ではいいことなのです。

ウォルマートが、オンラインショップとしてはこれまでにない斬新な配送方法を計画しているらしい。同社は米国に本部を置く、世界最大のスーパーマーケットチェーンである。今回は、計画されている配達サービスの概要と、そのねらいを紹介しよう。

 

斬新な配達サービスの概要

今回の配達サービスの大きな特徴は、「お客さんが、お客さんに商品を届ける配達員になる」ことである。実店舗の来店客が、オンラインショップで商品を購入した別のお客さんに、帰宅がてら商品を配送するというものだ。クラウドソーシングを活用し、ネットで仕事を依頼する方法を検討中らしい。配達員となる来店客には、インセンティブとして商品代金がディスカウントされる。 

 

これにより生じるメリットは大きくは2つある。1つは、来店客の車の空きスペースを活用することで、配送コストを大幅にカットできる点である。もう1つは、実店舗を最終配送拠点にし、来店客を配達員にすることで、配送スピードをアップすることができる点だ。

 

今回の配送計画はまだブレスト段階であり、実現するためには、配達商品の保険、盗難、詐欺など、多数の懸念事項が残る。ウォルマートは、この配達方法の実際の運用は1~2年先になるだろうとしている。

 

ウォルマートのねらい

オンラインで買い物をする顧客が増加している中、ウォルマートのEC化は、大きく遅れを取っている。小売業界では、総売上に占めるオンラインの売上高の平均値が約10%だと言われているが、同社のオンラインの売上は全体の約2%にとどまっている。

 

EC運用の中で、配送サービスは売上を左右する重要なファクターである。ウォルマートは、ECでの巻き返しを図るために、まず配送システムの強化を図るつもりなのだろう。この配送方法の改善が、EC売上にどれだけ影響するかを観察したい。

 

ウォルマートの強みを活かした配達方法

ウォルマートは全米に3,200店ものスーパーセンターを有する巨大な小売店である。今回、発案された配達方法は、全米各地に多数の実店舗を有するウォルマートだからこそできる方法である。

 

来店客が配達員になるという配達方法には様々な懸念があり、実際に運用されるかどうかはまだ不明である。だが、自社の強みを活かした新たな配送モデルを生み出そうとしている点には多くを学べる。ECの運用において、これまでの既存の方法に依存するだけでなく、自社のリソースを活かした新たな改善策にチャレンジする姿勢も必要であろう。

44-1
babytopia」というECサイトをご存知だろうか?弊社も決済システムでお手伝いさせていただいているが、昨年末にリリースされたばかりの、ベビーグッズのセレクトショップサイトである。

babytopiaには、乱立するECサイトの市場で、他社との差別化を図るために徹底した「こだわり」がある。この事例を通して、選ばれるECサイトになるためのコツをみてみよう。

 

babytopiaの4つの特徴

1つ目の特徴は、デザインの優れた海外のベビー用品を揃えている点だ。子どもが生まれたら、生活の中心は子どもに変わる。これまで生活して来た大人のスタイリッシュな空間はベビー用品に溢れ、インテリアは大きく変容する。だが、大人でも楽しめるデザイン性の高い商品は、日本のベビー用品サイトでは少ない。

babytopiaは、「デザイン」と「イノベーション」をテーマに商品をセレクトし、日本ではまだ紹介されていないデザイン性と機能性の高い製品を提供しているのだ。

 

2つ目の特徴は、商品選びのための用品ガイドを提供している点である。初めての育児だと、どのベビー用品を選べば良いかが分からない方が多いだろう。そんな場合でも、自分に合った最適な商品が分かるように、用品の種類や選び方を詳細に案内している。 

 

44-2

 

44-3

 

3つ目の特徴は、専門医による医療情報が提供されている点だ。ユーザーが優れた製品を選べるようになるためには、医学的な知識があるに越したことはない。babytopiaでは、専門医による妊娠・出産・育児の情報をユーザーに提供することで、正しい商品の選択を助けている。

 

4つ目の特徴は、サイトデザインである。一般的に、ベビー用品サイトは、淡い色を貴重にした優しいテイストのサイトが多い。だが、babytopiaはあえて王道からから外れ、オリジナリティで勝負をかけた。「デザイン」と「イノベーション」というコンセプトが伝わるよう、明るく、シンプルで安心感、信頼感を与えるデザインとなっている。

 

デザインとコンテンツで差別化を図る

babytopiaがこだわっているのは、まさに商品を中心とした「デザイン」だ。ただ価格の高いものだけを取り扱うのではなく、安くても上質でコンセプトに合う物は、丁寧に商品を紹介する。こうした商品のキュレーション能力が、いまやショップサイトのブランディングに不可欠な要件なのは言うまでもない。

 

そのこだわりの商品を後押しするのが、「コンテンツ」である。ユーザーに正しい商品の選び方や、育児の知識を提供することで、納得感のもと商品を買ってもらえる。さらに、コンテンツが充実すると、買い物を目的としていない顧客もサイトに訪問するため、多くの見込み客を獲得することができる。

 

こだわりの商品を取り揃えるECサイトは特段珍しくはない。ただ、babytopiaの場合は、その商品の良さを裏付けるコンテンツがあることで、さらに他社との差別化が図れている点がユニークだ。

 

EC市場の成熟とともにECサイトの数は急増している。単に商品を陳列するだけでは、もはやユーザーの要求応えているとは言い難い。選ばれるECサイトになるためには、他社との差別化を徹底することが重要だ。コンテンツの作成など、今すぐできることからぜひ取り組んでほしい。

EC業界 - 個別企業動向

 30代女性の約7割が認知、TRFの"ダンササイズ"DVDはなぜ売れたのか?
 「ママ、今日はTRF踊らないの?」親子消費で火がついた
 > 既に4枚のDVDを発売、2月末には総売上枚数で100万枚を突破するなど売れ行きは好調だ
 
 リクルートの家具情報サイト TABROOM開始
 > 国内外164ブランドにご協力いただき、約5000(サイズ・色・素材違いも含めると約8万)の
 >家具の製品情報を掲載しています。
 

EC構築・運営・販促

★レスポンシブWebデザインにリニューアルして変わったこと4つ
 > 自然検索からの流入が大幅に伸びている
 
 楽天大学学長が語るEC温故知新
 スーパーより2倍高いタマゴがネットで超絶な売れ方をする理由


 ビックカメラがLINE公式アカウントを取得! きっかけとなったのはLINE@の効果
 
 「境界」入るとクーポン配信 位置と行動で顧客導く
 

決済ニュース

★近畿大、出願を完全ネット化
 > 同大学では、昨年度入試において、ネット出願の際に受験料を割り引く「近大エコ出願」を実施。
 > その結果、ネット出願件数は大幅に増加し、ネット出願率は全体で64.4%、後期入試では70.0%となったという。
 > 志願者数は全国1位過去最高の12万6923人。
 
 「パズドラ効果」がGoogleの決済インフラも脅かす
 パズドラユーザーの決済でGoogleのインフラがほぼいっぱいになる「パズドラeffect」が。
 > 来日したGoogle上級副社長のアンディ・ルービン氏いわく
 > 「月ごとの決済時、パズドラユーザーの決済でGoogleの決済インフラがほぼいっぱいになり、
 > 設備投資をして能力を増強しないと耐えられないこともあった」という。

 JR東日本、首都圏法人タクシーの6割でSuicaでの料金決済が可能に
 
 スマホ決済ソリューション「Anywhere」が銀聯決済に対応
 
 「世界を簡単にする」 TwitterとSquareを創業したジャック・ドーシーの“起業家精神”
 > Squareの原点は、「どうすればコマースを簡単にできるか」だったという。
 > 「Twitterは、コミュニケーションを簡単にするサービス。
 > Squareはコマースを簡単にするサービス。われわれは世界を簡単にしている」

ペイジェント

ペイジェント、「コンビニチケット発券・収納サービス」を開始
  ~決済代行業界初の「Famiパス」対応。
    最大7種の決済方法とファミリーマート「Famiポート」発券を連携し、チケット発売業務のコストを大幅削減~

 演劇やスポーツ、遊園地などの前売りチケットをFamiポートで発券できる新サービスを開始しました。

↑このページのトップヘ