先週、米グーグルは、Eコマース支援を行う、チャネル・インテリジェンス(Channel Intelligence、以下CI)を買収すると発表した。買収金額は1億2500万ドル(約110億円)。なぜ今グーグルはCIを買収したのか、その狙いを紹介しよう。

チャネル・インテリジェンス社とは

CIは、ECサイトにおけるアクセス解析・購買データ分析の技術(TrueTagと呼ばれる)と、広告出稿を最適化する技術(プロダクトフィード最適化)を持つ会社である。同社は、HPやBestBuy、Targetなど、大手企業を中心に世界中で850社のクライアントを保有している。日本では無名だが米国ではかなり実績のある企業だ。

グーグルによる買収の目的と背景

CIは2010年10月にグーグルが、ECサイト向けの製品広告、「グーグルショッピング」をローンチした際のローンチパートナーであり、今回の買収の目的の一つは、グーグルショッピングを更に強化するための投資であると考えられる。

しかし、実は、もう一つの買収の目的がある。それは、CIが持つ大量の顧客データである。CIがTrueTagで収集分析しているデータ量は、年間5兆イベントにもなり、消費者がどのチャネルから流入しどのような製品を購入したのかを把握している。

これまでグーグルは、ユーザーの検索データを収集することはできていたが、個別のECサイトで、誰が、何を、いつ、いくらで買ったか、といった購買行動のデータまでは収集できていなかった。GoogleはCIが持つ技術とデータを活かすことで、これまで不可能であった動的な顧客データの収集、解析を行えるようになる。さらに、そのデータを元に、グーグル Shoppingで消費者に最適化された商品や広告の提案が可能になり、売上および広告収入の飛躍的な拡大が見込めるようになるのだ。

また、関係者の間では、今回の買収が、EC市場の強力なライバル、アマゾンへの対抗策だと噂されている。確かに、顧客の購買データの収集分析では、自社の売り場を持つアマゾンの方が有利であり、Googleはこれまで水をあけられていた。しかし、今回の買収を通じて、購買データの収集・分析の分野でアマゾンに挑戦しようとしているというのだ。

まとめ

近年、ビックデータというキーワードが良く聞かれるようになっているが、まさに今回の買収劇は、ビックデータを巡る買収だと言える。ECの先進国アメリカでは、今後も、ビックデータがホットなテーマになりそうだ。日本でも、ECサイト運営の上で、アクセスや顧客データの分析がますます重要になっていくだろう。

 

<出典>
・http://www.ciboost.com/
・http://www.csestrategies.com/cse/2013/02/analysis-of-googles-acquisition-of-channel-intelligence.html