ネットショップでは、オンラインの「EC店舗」とオフラインの「実店舗」の相乗効果を期待する事が多い。最近目にすることの多くなってきた「O2O」もここから派生したキーワードである。そこで今回は、この「O2O」をキーワードに、EC店舗と実店舗の融合を考えてみよう。


 「O2O」とは「Online to Offline」の略語で、EC店舗(または、インターネット)から実店舗への誘導をうながす意味合いで使われることが多い。言葉自体は昔からあるが、アメリカでは昨年から、日本でも今年に入ってから、メディアで取り上げられることが増えてきている。


NTTドコモが遂に動き出した

つい先日開始した NTTドコモの「ショッぷらっと(http://shoplat.net/)」はスマートフォンを活用して実店舗への誘導をうながすサービスとして注目だ。利用者には実店舗に立ち寄るだけで、ポイントやクーポンなどのロイヤリティが付与される。


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▲NTTドコモが開始した「ショッぷらっと」


アメリカで実績のShopkick

元々アメリカでも、2010年から「Shopkick (http://www.shopkick.com/)」というアプリが提供されていて、既に7,000店以上の実店舗と連携しており注目されている。


アメリカで広がる店舗受取り

この他にも、EC店舗と実店舗の融合を試みる「O2O」は広がりを見せている。そのアメリカでは、「Apple」や「Walmart」などで、日中に会社からネット注文した商品を、その日の帰宅時に実店舗で受け取れるようにしている。「Amazon(米)」も、セブンイレブンやStaplesの店頭でネット注文した荷物を受け取れる「Amazon Locker」の設置を開始している。

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▲Amazon Lockerを紹介したウェブサイト


受取店舗が儲かるe-honの仕組み

日本でも、「Amazon(日)」がファミリマート店頭での受取サービスを提供している。この他、トーハンが運営する「e-hon」(http://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top)での、ネット注文した書籍を指定した店舗で受け取れるサービスも興味深い。こちらでは、受け取り方法を宅配としても、指定した店舗に通常販売時と同様のマージンが入るという細やかさである。


まとめ

これまでインターネットに閉じたプロモーションに特化していたEC店舗が、「O2O」という概念を得て、実店舗への誘導をうながすようにもなってきている。ネットとリアルを融合することで、「実店舗で商品をチェックしてECサイトで購入する」「ECサイトをカタログとして閲覧して来店し購入する」という、双方向での新しい購買行動を創出しているのである。また、実店舗で実物に触れながらの購入検討は、今まではインターネットという仮想空間に懐疑的であった客層に対するアピールにもつながるだろう。


O2Oは、消費者の購買行動のパターンをより便利な体験へと変える取り組みであり、多様な消費者との接点を設けることで販売機会を増やそうとする試みだ。これは「いつでも、どこでも購入できる環境」を後押しする「スマートフォン(タブレット)」普及の加速化の影響も大きいだろう。今後も「O2O」をキーワードにした、こうした試みは増えていくと思われる。要注目だ。