MWCで世界の脚光を浴びた「マスターパス」とは?

先日、バルセロナで世界最大のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス」( http://www.mobileworldcongress.com/ )が開催された。クレジットカード大手の米マスターカードはここで、新たなデジタル決済システム「マスターパス」を発表し、大きな注目を浴びた。このサービスは、カナダやオーストラリアで3月末に開始され、夏までに米国や英国に広げられる。日本は、年内か年明けになる見通しだ。

 

「マスターパス」とは、顧客がクラウドに個人情報や銀行の取引情報を保管することができるシステムである。NFC(Near Field Communication;近距離無線通信)を搭載したスマートフォンなどの多種多様な機種に対応しており、店舗での買い物の際には、専用リーダーにかざすだけで簡単に決済を完了できる。マスターカードだけでなく、ビザやアメリカン・エキスプレスなど、他のクレジットカードやデビットカードでも使用できる。

 

マスターパスは、コンビニや飲食店での支払い、電車のチケット購入、タクシー料金の支払いなど、様々な場面での利用が想定されている。テレビで見たい映画や番組を購入できるようにもなる。さらに、このシステムを利用することで、映像だけでなく、テレビで紹介される商品やチケットを、リアルタイムで購入できるようになるだろう。

 

ECサイトでの買い物も一段と簡単になる。顧客がパソコンやスマートフォン、タブレットでオンラインショッピングをする場合、ワンクリック機能を利用することで、即時に決済を完了できる。これが利用できない場合は、サイト画面に表示されるQRコードを読み取ることで、決済を完了させることができる。顧客は、これまで面倒だったカード情報を入力することなく、簡単に買い物ができるようになるのだ。

 

 

決済サービスの進化によるEC利用の増加

これまで、オンラインショッピングが便利だと分かっていても、カード情報を入力することに抵抗を感じ、購入に踏み切れなかった人は多くいるはずだ。また、毎回買い物をするたびにカード情報を入力する手間は、意外と消費者にストレスを与え、サイト離脱を誘う要因にもなっている。

 

マスターパスを始め金融サービス各社が、さまざまなデバイズで簡単にしかもシームレスに買い物できる決済サービスを開始すれば、オンラインショッピングの利用者はますます増加する事が期待される。そのうち、自分の購買履歴なども一元管理でき、いつでも閲覧できるようになる可能性もある。

 

決済サービスの進化によって、決済の利便性がECの売上を伸ばす上でのキーポイントになりつつある。当ブログでは、今後も決済サービスの動向を紹介していくので、期待して欲しい。