スマホの利用者が急増したことを背景に、モバイルを使った新たなマーケティング(プロモーション)の手法が、次々に出て来ている。

今回は、先日リリースされたばかりのソーシャルメディアを活用してプロモーションを行う「Kolor」と、移動者マーケティングという新たな手法を実践できる「JOGIN」を中心に、最新のモバイル・マーケティングを紹介する。

 

プロモーション情報配信サービス「Kolor」

 


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インタレスト・マーケティングは、3月末に新サービス「kolor」をリリース。SNSユーザーが持つ情報拡散力などの影響力と、ユーザーの興味、関心ごとを独自に分析して、プロモーション情報を配信するサービスだ。

この「Kolor」では、Facebookのアカウントでログインしたユーザーに、「ミッション」と呼ばれるプロモーション情報を届けることができる。指定されたミッションをユーザーが実施すると、ポイントが付与され、さらにプレゼントがもらえる仕組みとなっている。ユーザーのFacebookでの影響力がスコア化されており、そのスコアによってミッションや、獲得できるポイントの数が変わるようになっている。

ミッションは、Facebookページにいいね!をするものや、指定された場所へチェックインするもの、クイズに答えるものなど全部で9種類ある。例えば、SNSユーザーが、コスメに興味があると判明した場合は、コスメに関するミッションが送られる。リリースとともに多くの企業が連携しており、すでに、伊藤ハム、サッポロビール、東急ハンズ、パルコ、横浜ゴムなど10社以上が「Kolor」を導入している。

 

移動者マーケティングを基に作られたサービス「JOGIN」


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一方、先月から「移動者マーケティング」という新たなモバイル・マーケティング手法を取り入れた「JOGIN」というサービスも発表されている。移動者マーケティングとは、消費者がデバイスに接触する機会が多い移動中を狙って広告を打ち、消費者の興味を喚起して店舗に誘導する最新のマーケティング手法である。

「JOGIN」は、ユーザーにお得な店舗情報を紹介する機能と、店舗と利用者を繋げる SNS 機能、電子スタンプを蓄積する機能などで構成されている。プッシュ通知で店舗の近くにいる移動者に情報を配信したり、経路探索アプリ「乗換案内」と連携し、目的地のオススメ情報を事前に知らせるサービスを展開している。

中でもユニークなのが、店舗側の条件に合うユーザーにのみ、お得な情報を通知できる機能がある点だ。親和性の高い特定ユーザーにのみ集中してキャンペーン通知を行うことで、効果的に集客を図ることができる。

阪急阪神百貨店は、「JOGIN」を活用して、経路検索するユーザーに対して情報発信をし、関東から関西への移動者を阪急阪神百貨店うめだ本店へ誘導する取り組みを行っている。表参道エリアのトップサロンは、移動者にアプローチすることでJOGIN内の特設ページへ誘導し、認知拡大を図っている。今後も利用する店舗が増えるだろう。

 

まとめ

スマートフォンが普及し、かつ通信網も整備された今、消費者のモバイル接触機会は急速に増えている。そういった状況を背景に、QRコードや位置情報機能を活用したマーケティングなど、様々なモバイル・マーケティングの手法が出現してきた。

モバイルの機能やSNSサービスに大きく影響されるモバイル・マーケティングは、まだまだ発展途上であり、今後さらにユニークなマーケティング手法が現れる可能性は高い。今回紹介した二つのサービスの今後の展開も含め、モバイル・マーケティング全体の動向に注目していきたい。

2013年は間違いなくスマホのマーケティングがキーポイントになってくる。効果的な集客のためには、後乗りでは遅い。積極的に最新の手法に取り組んでいってほしい。