ユーザー数5000万人の大人気アプリ「Flipboard」が、初のメジャーアップデートを発表した。Flipboardは、ブログなどのオンラインのコンテンツをタブレット上で雑誌風に閲覧できるiPad、iPhone用のアプリだ。このアップデートでバージョン2.0となり、多くの魅力的な機能が付加された。今回は、Flipboardに搭載された新機能と、期待されるECへの可能性を紹介する。
Flipboard2.0の魅力的な新機能
今回のアップデートの最大の目玉は、話題の「キュレーション機能」である。ユーザーは、webで自分が気になったコンテンツを収集、保存し、オリジナルの雑誌を作れるようになった。作成できる雑誌のコンテンツは、テキストだけでなく、写真や動画、音楽までも含まれる。
コンテンツの横にある+ボタンをタップするだけで、簡単に雑誌に追加することができる。また、これまでFlipboardはPCでの利用はできなかったが、PC向けのbookmarklet機能が追加されたことで、PCブラウザから直接Flipboardにコンテンツを保存し、記事に追加することができるようにもなった。
ユーザーが作る雑誌といっても、写真や画像に配慮した美しいレイアウトになっており、高いデザイン性が保たれている。自分が作成したオリジナル雑誌は、公開・非公開を選択でき、Eメール、Facebook、Twitter、Google+などで簡単に他人にシェアできるようになっている。
ポストGoogle Reader
先日のGoogle Readerが今年の夏で終了するという衝撃的なニュースは、記憶に新しい。Flipboardは、今回のアップデートで、複数のサイトの情報をただ流すだけのRSS機能を超えるキュレーション機能を有した。Google Readerを活用していたユーザーの多くが、新機能を搭載したFlipboardに流れる可能性が高いだろう。
新たなECのプラットフォームへ
今回のバージョンアップで、全米で大人気のハンドメイドECサイト「Etsy」が参加した。Etsyの雑誌は、手作り商品と商品説明が表示されたストアカタログとなっており、購入ボタンを押すと、商品がショッピングカートに入るようになっている。購入はEtsyのアプリ内で完了する。
Flipboardにとっては、小売業者に使用してもらうことで、新しい収益の機会となる。Etsyの参加は、Flipboard がEC市場へ参入するための実験とも言える。ポストGoogle Readerとして多くのユーザーを抱えるFlipboardが、今後、ECに本格的に参入し、新たなECのプラットフォームになる可能性は十分ある。Flipboardのマーケティング部門のトップは、「将来、小売業者がセルフサービスで商品情報を掲載できる機能を実装すれば、ショップ・セクションも生まれるかもしれない」と語っている。
まとめ
バージョンアップ前のFlipboardは、見ている記事をシェアするだけの機能だった。今回、新たなキュレーション機能が付加することで、単なるメディアとしての側面だけでなく、ECのプラットフォームになりうる可能性もでてきた。
多数のユーザーを抱え、美しいカタログ雑誌のようなサイトを作れるFlipboardに多くの小売業者は魅力を感じるだろう。Flipboardの次回のアップデートは、EC機能の追加である可能性が十分あるだろう。
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