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昨年秋にβ版としてローンチされていた、ファッションECサイト「MATERIAL WRLD」が、ついに正式ローンチした。 今回は、ファッション好きの多くの女性を虜にするであろう新たなコンセプトの「MATERIAL WRLD」を紹介しよう。

 

ファッショニスタのクロゼットを覗ける「MATERIAL WRLD」

 

MATERIAL WRLDは、ファッションテイストメーカーのクロゼットの中身を、個人で売り買いできるオンラインコミュニティである。ファッション業界の先端をいくおしゃれな人のクロゼットの中身を、ファッション好きな女性が購入できるのだ。

 

テイストメーカーは、自分のクロゼットにお気に入りのアイテムをアップすることでユーザーに紹介でき、使用しなくなったら適正な価格で売ることができる。

 

300以上のファッショニスタのクロゼットが楽しめる

 

クロゼットは、有名なデザイナーやファッションブロガー、雑誌の編集長やDJといった人たちが作成しており、その数は300以上になる。クロゼットの中身はハイセンスなアイテムが揃っており、平均単価約100ドルで販売されている。

 

クロゼットページのデザインは、売り手となるテイストメーカーが自由にカスタマイズでき、オリジナルページを作れるようになっている。

 

さらに、配送作業の軽減のために、切手付きの住所ラベルやパッケージ移送サービスが提供されたり、売り手にとって難しいプライシングに関しては、MATERIAL WRLDのデータベースから算出した適正な価格を教えてもらえたりと、ファッショニスタにとっても利用しやすいのが大きな特徴だ。

 

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ファッションの話で盛り上がれるコミュニティも提供

また、ユーザーはスタイルグループを作成でき、その中で自由に情報交換ができる。現在、ブロガーや雑誌、アーティストといったテーマで、17個のグループが立ち上げられている。

 

これらのグループへの参加には条件が設けられており、ファッション感度が高い人のコミュニティが形成されている。もちろんグループのフォローは誰でもできるため、テイストメーカーたちの情報のやり取りを楽しむこともできる。

 

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みんなが自慢したい物の集まり」というユニークなコンセプト

MATERIAL WRLDは、ただの古着販売ではない。これまでユーズドマーケットは、「いらなくなったものの販売」というイメージが強かった。しかし、MATERIAL WRLDはリユースを別の角度から捉え、「みんなが自慢したい物の集まり」という新たなコンセプトを打ち出した。

 

クロゼットの持ち主は、新アイテムを入手し、誰かにそれを自慢したい時に商品をアップするようになっている。ハイセンスなファッショニスタが選んだ商品が並ぶクロゼットは、ショールームの役割も果たしているというわけだ。買い手となる女性たちは、アイテムが売りに出されていなくても、ショールームを覗くだけで十分楽しめる。

 

このサービスの創業者は、ファッション業界での経歴を持つ矢野莉恵氏とJie Zheng氏という二人の女性だ。彼女たちが日頃感じていた、「着なくなったブランド物をなかなか人にあげられず、古着屋では適正な価格評価をされない」という問題意識からMATERIAL WRLDが誕生した。ユーザーと同じ感覚で作られたサービスだからこそ、随所にきめ細やかな配慮が見られるのだ。

 

まとめ

 

MATERIAL WRLDは、β版を含めサービスを開始してからまだ半年あまりだが、既に米国外のトラフィックが30%を占めている。正式ローンチされ、海外でも展開されると、世界中のユーザーを一気に獲得するだろう。

 

日本のユーズドマーケットには、MATERIAL WRLDのようなコンセプトのECはまだ存在しない。今後、ファッション好きな女性が多い日本で本格的にサービスが開始されれば、爆発的に人気が出ることが期待できる。