米国のモバイル経由のオンライン売上は、2013年に21億ドル(約2,066億円)に達すると言われている。さらに、今後3年間では、622億ドル(約6,119億円)にまで成長すると推測される。
今回は、この驚異的な成長を遂げるモバイル・コマースが、小売業を変える7つのポイントを紹介しよう。
モバイルECで絶対に押さえておくべき7つのポイント
- レスポンシブwebデザインが不可欠に
米国の多くのECサイトは、既に、どのデバイスでも閲覧可能なようにレスポンシブwebデザインに設計しなおしている。モバイルでのサイトが最適化されていない場合は、急成長するマーケットでの商機を逃すことになるので、日本でも一早くモバイル向けのデザインに設計し直す必要がある。
- マーケットプレイスの選定が重要に
モバイルのインターネット接続は、地域によって接続環境が大きく変わる。接続しにくい環境では、顧客が個別のECサイトでなく、Amazonや楽天といったアプリを提供している巨大モールに行く可能性が高まる。
したがって、モバイルで販売を拡大したい場合は、独自のECサイトだけでなく、大手モールでの販売も視野に入れなければならない。
- ショッピングのユビキタス化
スマホやタブレットによるモバイル・コマースが成長すると、ショッピングのユビキタス(いつでも、どこでも、誰でも)化は避けられない。
帰宅途中にスマホから家族にプレゼントを購入することや、通りすがりのおしゃれな人の写真からオンラインで商品を購入することも可能になってくる、当然実店舗の来店客が減少することも考えられるので、オンラインからオフライン(店舗)への導線も重要になる。
- 新たな決済サービスの出現
モバイル・コマースの市場が拡大するとともに、決済サービスも充実化してくる。実際に、Googleウォレットのようなデジタル財布やペイパルをはじめ、先日、紹介したマスターカードのマスターパスなど、次々と新しい決済サービスが登場している。
- マスマーケット製品のコモディティ化
オフラインでは、家電販売を中心に「他社より安くします」といった宣伝文句の小売店が増えているのはご存知の通りだが、近年はオンラインでもこの傾向が顕著だ。価格.comを見ればわかるように、同じような製品は、絶えず価格競争にさらされている。
- 価格比較の自動化
5に大きく関連しているが、価格比較ができるアプリは既に多数ある。将来的には、消費者の購買行動を記録したビックデータを活かして、自動で価格比較ができるサービスが出現するとも予測されている。
米国の大手百貨店メイシーズは、ブラウス1枚の値段を他社サイトから比較できる。このように、モバイル・コマースでは、商品の価格が自動化・透明化されるのだ。
- 商品レビューの一元化
商品を購入する前に、口コミを確認する顧客は多い。今後は、散在する多数のサイトの商品レビューや口コミを、1つのサービスで閲覧できるようになるだろう。
まとめ
モバイル・コマースの市場は、急激に拡大を続けている。すでに、豊かなユーザー体験を提供しなければならないフェイズに入っていると言える。今回紹介した価格以外の差別化、決済サービスの多様化、レスポンシブwebデザインの導入等は、ユーザー体験の質を向上させるものである。
もちろんまだ実現していない項目もあるが、進化が早いのもモバイル・コマース市場の大きな特徴だ。動きに乗り遅れないために、いち早くこれらの対応策を講じていく必要があることを忘れないでほしい。
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