4月1日、東急ハンズがハンドメイドECサイトの「ハンズ・ギャラリー・マーケット」をオープンした。オプトが運営していたECサイト「DAN-TE(ダンテ)」を買い取り、リニューアルしたものだ。今回は、小売大手の東急ハンズが挑む、これまでにないモデルのハンドメイドECを紹介する。
リアル店舗から生まれたハンドメイドECサイト
「ハンズ・ギャラリー・マーケット」は、プロ、アマ関係なくクリエイターのハンドメイド作品を取り扱うECサイトだ。アクセサリーやファッション、文具、インテリア、オブジェなど、多様なアイテムが取り揃えられている。
もともと東急ハンズは、渋谷店、熊本店に、ハンドメイド作品を展示・販売できるレンタルスペースを展開していたが、常に7、8割が埋まっている。この状況に加え、EtsyなどのハンドメイドECへの需要が国内外で高いことから、今回のオンラインショップを開設することとなった。
作り手と購入者、作り手同士の交流を図る仕掛け
「ハンズ・ギャラリー・マーケット」では、完成品を購入するだけでなく、カスタムオーダーも可能だ。購入者は、作り手と掲示板を通してコミュニケーションを取りながら、オリジナル商品を完成させられる。さらに、作家や作品への評価機能もついており、「お気に入り」の数が多い作家や作品を見つけやすくなっている。
また、作家は自分の作品を紹介するオリジナルページを作成することができる。作成した自分のページには、SNSを通じて友人を招待することもできる。招待した友人が会員登録をしたら、自動的に自分のファンとして登録される仕掛けだ。この機能により、イベントや展示会で名刺交換した人を作家ページに案内したり、作家同士で交流が図れたりするようにもなっている。
リアル店舗との連動が差別化の鍵
日本では、Etsyに続けと、tetote、minne、Creema、iichiなど、様々なハンドメイドのオンラインショップが出現しており、競争が激化している状況だ。
そんな中、各ショップはユーザー獲得に向け、オフラインの場を活かした集客に力を入れている。tetoteは、ハンドメイドのイベントで、ユーザーの作品を集めたブースを出展している。minneは、百貨店と連携し、期間限定の実店舗をオープンする予定だ。ハンドメイドECでは、実店舗を持たないサイトがほとんどであるため、一時的にリアルの場を作り、O2Oに取り組むショップが増えている。
一方で、「ハンズ・ギャラリー・マーケット」は、リアル店舗を持つことが強みだ。今後は、O2Oの取り組みとして、東急ハンズやハンズビーなどの実店舗と連動したイベントを実施する予定だ。この実店舗の活用こそが、「ハンズ・ギャラリー・マーケット」の差別化の鍵となる。
まとめ
ハンドメイドECのほとんどが実店舗を持たない。リアル店舗から生まれた「ハンズ・ギャラリー・マーケット」は、ハンドメイドECとO2Oがミックスされた新たなビジネスモデルと言える。今後、東急ハンズがどのようにハンズ・ギャラリー・マーケットとリアル店舗を連動させ、ユーザー獲得を図るのか、具体的な取り組みに注目したい。
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