現在、国内のスマホ普及率は40%程度で、2016年には70%を超えると言われている。スマホユーザーのほとんどは、多くの時間をスマホ用サイトではなくアプリで過ごしている。このような状況から、日本のEC市場でも、様々なスマホアプリが出現している。今回は、EC市場で急増しているスマホアプリの活用状況を見ていこう。
大手ECはスマホサイトとアプリを並行活用
最近では、ECサイトをモバイル適用するサイトが、徐々に増えてきた。大手ECは、これに加えて、楽天やアマゾン、ヤフオク、ZOZOTOWN、ベルメゾンといったアプリ配信も開始している。
楽天のアプリは、商品検索から決済までがアプリで完結する仕様になっており、バーコード検索で価格比較できる機能も付いている。一方で、ベルメゾンのアプリは、商品検索から買い物カゴまでをアプリで、最終的な決済処理はスマホサイトに移行するようになっている。このように、全ての機能をアプリとして作り込むパターンと、アプリとサイトの両方を活用するハイブリッドパターンの2つがある。
アプリ特化型ECが登場
4月末にローンチしたばかりのOrigamiは、次世代ECと呼び名の高い、スマホアプリに特化したソーシャルコマースだ。友人が購入した商品情報の共有機能や、実店舗と連携したO2O機能も付いている。
Frilもまた、アプリ特化型ECだ。Frilは、古着をスマホカメラで撮影し、投稿することで、簡単に出品できるユーズドマーケットプレイスである。OrigamiやFrilのように、日本でも徐々に、アプリからECを展開するがサービスが出現してきている。
さらに、既存のPC向けサービスを、アプリ特化型へリニューアルするECも出て来ている。LISTORは、自分のクローゼットをストア化し、売り買いできるコミュニティサイトだ。PC向けに展開していた「Whytelist」を、アプリ特化型に変更した。LISTORのようにアプリメインのサイトにリニューアルするECは、今後も増えるだろう。
実店舗による多様なアプリ活用
実店舗を持つWEGOは、店舗の強みを活かしたアプリを提供している。WEGOのアプリは、商品検索だけでなく、店舗スタッフによる着こなしが眺められる「STAFF STYLE」やショップブログの閲覧、GPSによる店舗検索など多様な機能が備わっている。
ユニクロとビックカメラのコラボ店舗であるビックロも、ユニークなスマホアプリを提供している。インベーダーゲームのスコアに応じて、オンラインストアのクーポンが発行されるというものだ。
スマホアプリは、常にオンラインでプッシュできることが強みだ。単なるショップサイト機能だけでなく、WEGOやビックロのように、消費者が楽しめるコンテンツを提供することで、ショップとの関係を維持することも重要だ。
まとめ
「小売業者がモバイル・アプリを持つべき4つの理由」でも紹介したように、モバイルコマースにおいて、アプリは必要不可欠なものになっている。日本のECのアプリ提供は最近始まったばかりだが、2013年の後半はアプリファーストのECがもっと出てくるだろう。新たな可能性を秘めたアプリコマースの今後の展開に注目したい。
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