EC向けにバーチャルショッピング構築サービスを提供するサービス、PanoPlazaをご存知だろうか。日本のスタートアップ、カディンチェが2011年にリリースしたサービスだ。すでに大丸神戸店やプラザスタイル、ニッセン、ドンキ・ホーテなどが、次々にPanoPlazaでバーチャルショプを立ち上げている。今回は、日本から世界へ挑戦するPanoPlazaについて、紹介しよう。

 

オンラインでリアルのような購買体験を提供

 

PanoPlazaは、実店舗で撮影したパノラマ写真に対して、商品情報のタグ付けやリンクを貼ることができる新型のウェブサービスだ。実店舗のようなバーチャル空間をオンラインで再現でき、消費者に対してリアルに近い購買体験を提供することができる。また、TwitterやFacebookとの連携機能もあり、口コミ効果を活用するソーシャルコマースの役割も果たす。

 

さらに、バーチャル空間におけるユーザーの行動や視点を測定するツールの顧客動向分析機能も搭載している。これにより、実店舗では難しかった顧客行動の可視化が可能になる。

 

 

 

米企業とのパートナーシップで念願の世界進出

 

PanoPlazaは、米テキサスに本拠地のあるBrowseWell LLCと提携し、北米でのEC向けのサービス展開を開始することを発表した。PanoPlazaは、サービス開始当初から海外での展開を視野に入れており、アジアや欧米でのプレゼンやデモンストレーション展示を地道に行って来た。今回の北米でのサービス開始は、念願の世界進出への第一歩である。

 

PanoPlazaは、BrowseWell LLCと提携することで、これまで国内でしかできなかった撮影から構築までの作業を、海外でも同様に実施することが可能になった。すでに北米では、Cantoniという家具ショップが、このシステムを導入している。

 

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PanoPlazaのサービスは、様々な可能性を秘めていると言える。例えば、商品紹介機能に音声や動画を加えることで、よりリアルなショッピングに近い体験を演出することができるだろう。今後、EC先進国の米国で、どのようにPanoPlazaが活用されるか要注目である。

 

まとめ

 

EC市場が急成長し、サイト数も増える中で、他社との差別化は必要不可欠である。バーチャルスショップは実店舗の強みを活かした差別化の大きな要素になり得る。「いかに消費者にインパクトあるショッピング体験を提供するか」という視点でECをデザインすることも必要だろう。

そのためにも基本的な運営のポイントをおさえておくことも欠かせない。