最近、よく耳にするようになったコンテンツマーケティングという言葉。聞いたことはあるが、実際どのような意味を持つか知らない人は、意外に多いのではないだろうか。今回は、ECで注目されるコンテンツマーケティングの意味や目的について紹介しよう。
コンテンツマーケティングの意味
コンテンツマーケティングの考え方は、「企業がメディアのように、情報を整理し、素早く、丁寧に、詳しく伝える発信者になる」というコンセプトに立つ。もう少し詳しく言うと、顧客が必要とする情報を、最適なコンテンツ形態で提供することで、最終的に購買につなげる手法を意味する。
コンテンツマーケティングが大注目される4つの理由
長い歴史を持つコンテンツマーケティングだが、近年、熱い注目を浴びるようになったのには、4つの理由がある。
1.ユーザー環境の変化
スマホやタブレットが普及するまでは、1つのメディアに集中して視聴する人が多かった。だが、今は多くの人が時間や場所を選ばず、必要な情報にアクセスできるようになった。その結果、従来の割り込み型広告の効果が薄れてきた。
2.ニーズの多様化
消費者ニーズの多様化に対応するため、商品もますます多様化、複雑化している。そのため、1つの広告で多くの人の購買意欲を喚起させることが難しくなってきた。
3.ソーシャルメディアの普及
これまで、商品の宣伝をする際、マスメディア媒体に頼るしかなかった。だが、ソーシャルメディアが普及したおかげで、自社での情報発信が容易になった。
4.検索エンジンの変化
Googleなどの検索エンジンが、ユーザーにとって本当に重要な情報を提供しているサイトをより高く評価するようになった。その結果、検索順位を上げるために、コンテンツの中身が重要になった。
長期的な顧客創出に適したマーケティング戦略
コンテンツマーケティングは、価値観が多様化する消費者に対して、商品に関する様々な情報を提供し、見込み客をゆっくりと顧客に育成すること、さらに、長く付き合う関係を構築することが目的である。
そのため、長期的な顧客創出に適したマーケティング戦略と言える。短期で顧客を集めるのに効果的なリスティング広告等との使い分けが必要になる。
ECを成功に導くコンテンツマーケティング
Chris Dixsonは、E-commerce startupsの中で、現在、EC市場で成功しているモデルの1つとして、「コンテンツ+コマース」をあげている。
日本でも、北欧、暮らしの道具店や、土屋鞄といった比較的小規模のECサイトがコンテンツマーケティングを取り入れている。
北欧、暮らしの道具店では、多くの特集が組まれ、商品が使用されるシチュエーションが、丁寧に説明されている。一方で、土屋鞄では、商品作りに関わる人の紹介や、長く商品を使用するためのコツ等が豊富に紹介されている。これらのECサイトは、良質のコンテンツを継続して配信することで、ブランド価値が高められている。
まとめ
コンテンツを配信することで、検索エンジンの上位を狙えるだけでなく、顧客の商品やブランドへの理解を深めることができる。また、良質なコンテンツは、自然とSNSで拡散され、さらなる顧客を呼んでくれる。小さなECサイトでもすぐに始められるコンテンツマーケティングに、ぜひチャレンジしてはどうだろうか。
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