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顧客ロイヤリティとは、顧客の商品や企業に対する愛着心、忠誠心のことを言う。新規顧客獲得に要するマーケティングコストは高くつくが、常連客に対しては比較的低い。しかも、常連客は自分の気に入った商品を他者に勧めてくれる。つまり、顧客ロイヤリティを高めることで、優良顧客が利益をもたらしてくれるのだ。今回は、優れた顧客体験を提供し、顧客ロイヤリティを確立するための5つの方法を紹介しよう。

 

1.エバンジェリストとのコミュニケーションの場に自ら赴く

 

商品の良さを伝えてくれるエバンジェリストは、顧客ロイヤリティの構築で重要な役割を果たす。エバンジェリストを作りたい場合は、彼らがいるであろう場所に、自ら行かなくてはならない。

 

もし、彼らがFacebook やPinterestを利用している場合、その多くはそこでひと際目立つ存在感を放っているはずだ。エバンジェリストがいる場所で、積極的に彼らとコミュニケーションを図ることをお勧めする。

 

2.サポート体制を築き、顧客を育てる

 

魚を一匹与えれば1日は食いつなぐが、魚の取り方を教えてやれば一生食いはぐれることはない。つまり、顧客に問題の解決策を教えるのではなく、顧客が自分で問題を解決するための力を育成することが必要なのだ。

 

そのためには、顧客がより早く必要なサポートが得られる体制を整えることが必須だ。さらに、カスタマーサポートでは、顧客が問題を解決するための手順を指導することに注力してほしい。

 

3.セルフサービスのチャネルを設置する

 

顧客の誰もが共通して陥る可能性がある問題に対応するため、ナレッジベースやFA​​Qセクションを、事前に作成しておくと良い。顧客が信頼できるデータベースを提供することが、ロイヤリティ構築につながる。

 

4.顧客サポートを行う従業員に権限と便利なツールを与える

 

顧客サポートを担当する従業員に、権限と便利なツールを与えると良い。権限とは、例えば払い戻しの権限や、長時間における顧客サポートなどを示す。また、Zendeskなどのツールを従業員に与えることで、素早い顧客サポートを実現し、顧客満足度を向上することができる。Zendeskでは、メール、ウェブ、電話、コミュニティフォーラム、チャット、ソーシャルメディア、などの様々な手法で顧客サービスをサポートすることができる。

 

優れたカスタマーサービスで有名なアメリカの靴のEC・Zapposでは、顧客のニーズに応えるために、幅広い裁量が従業員に与えられている。先進的な企業の事例を参考にするのも良いだろう。

 

5.既存顧客の維持に注力する

 

既存顧客を維持するより、新規顧客の開拓の方が、コストがかかる。そのため、既存顧客のロイヤリティ確保に注力しよう。ロイヤリティプログラムを作成すると同時に、キーとなる顧客と接触した後にアンケートを取り、効果を測定し、改善を重ねることが重要である。

 

まとめ

 

米国の小売業は半数以上が、顧客ロイヤリティプログラムを事業戦略の中心に据えている。収益性の高い顧客との関係維持のために、自社の顧客ロイヤリティ戦略について検討してみてはどうだろうか。「ECのカスタマーサポートで顧客を感動させる3つの方法」も併せて参照してほしい。