2013年はO2O元年と言われるほど、O2Oに大きな注目が集まっている。特に、急増するスマホユーザーをターゲットにしたO2Oアプリは、次々に出現している。今回は、大きな期待が寄せられるファッション分野のO2Oアプリを3つ紹介しよう。

 

snapette(スナペティ)

 

snapetteは、今いる場所から周辺のおしゃれなファッションアイテムやお店を検索することができる、ニューヨーク生まれのアプリだ。Pinterestのような画像中心の作りで、好きなアイテムを見つけたら、販売しているお店まで知ることができる便利なツールである。現在は、NY、LA、SF、ロンドン、香港、東京などでも展開しており、世界中をウィンドウショッピングして回れる。

 

また、snapetteでは、リアル店舗の割引クーポンをアプリ内で提供することで、オンライン検索からリアル店舗への強い導線を作っている。アメリカでは、直接商品を購入できるEC機能もついているが、日本ではまだ実装されていない。日本での次の一手に注目したい。

 

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iQON(アイコン)

 

iQONは、以前、本ブログでも紹介した通り、日本版Polyvorとして知られているアプリである。ユーザーが好きなファッションアイテムをコーディネート、発信できるソーシャルコマースの機能を持つ。ZOZOTOWN等のファッション系ECと連動しているため、気に入った商品をその場で購入可能だ。iQONは、2012年3月にローンチしてから、猛スピードで女性ユーザーを獲得し続けている。

 

だが、同社が行ったアンケートでは、8割のユーザーがオンラインでファッションアイテムを購入しないという結果が得られたという。このアンケートを踏まえてか、今年の2月に大規模な資金調達を果たし、iQONから実店舗に送客するO2O機能を強化すると発表した。日本のファッション系アプリでダントツの存在感を放つiQONが、どのようなO2O機能を付加するか、今後の展開が楽しみだ。

 

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WEAR(ウェア)

 

WEARは、ファッションモール大手のZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイがローンチを予定しているサービスだ。現在は、ティザーサイトとPVだけが公開されており、サービスの全貌はまだ明らかになってない。

 

 

このPVでの注目すべきポイントは、実店舗の商品情報を一度アプリで保存し、後で他の商品と比較したり、SNSで友人の意見を聞いたりしながら、購入をじっくり検討できる点である。オフラインからオンラインを経由し、最終的に再びオフラインで商品を購入するという流れが斬新だ。

 

ただ、店内での撮影を禁止するブランドが多い中、どこまでバーコード表示を可能にするかが1つの課題になるであろう。また、リアル店舗への再来店への導線をどう作るかが気になるポイントだ。どのようなサービスになるのか、ローンチが待ち遠しい。

 

まとめ

 

ファッション系のECが充実する一方で、iQONのアンケート結果で明らかのように、オンラインでの購入を躊躇する消費者は依然として多い。特に、衣料品は家電などのコモディティ商品と違い、直営店による販売が主流であるため、オンラインとオフラインでの価格競争に陥りにくく、ショールーミングの対象にもならない。

それだけに、いかにオンラインからオフラインに誘導するかがファッション小売業の業績アップのポイントとなる。スマホを活用したO2Oアプリには大きなビジネスチャンスがあると言える。今後、様々な可能性を秘めたO2Oアプリが、続々と登場するだろう。