コンテンツマーケティングは、海外では既に大ブームとなっており、日本にも遂にその波が押し寄せている。先行している海外では、大企業のみならず中小企業でも、次々に成功事例が出ている。今回は、海外の数ある成功事例から厳選して、5つのコンテンツマーケティング事例を紹介しよう。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、 以前の記事(「今さら聞けない、ECを成功に導くコンテンツマーケティングとは?!」)でも紹介したように、顧客が必要とする情報を、最適なコンテンツ形態で提供することで、最終的に購買につなげる手法のことである。コンテンツには、ビデオ、テキスト、メルマガ、電書、ホワイトペーパー、オンラインセミナー、など様々なものがある。これらのコンテンツを配信することで、見込み客の興味を引き、ゆっくりと顧客に育成することが目的だ。
コンテンツマーケティングに成功している海外企業は、一体どのように、どんなコンテンツを発信しているのだろうか?
その事例を見ていこう。
1.KRAFT:コンテンツマーケティングのリーダー
KRAFTは、米国の食品メーカーだ。コンテンツマーケティングが流行する以前から、自社メディアで多くのコンテンツを配信していた、コンテンツマーケティングのリーダー的存在である。
KRAFTのコンテンツは、自社製品を使ったレシピ紹介、調理のヒントの記事、料理教室のビデオなどがある。また、ユーザー同士の交流を図るためのコミュニティページを設置している点がユニークだ。また、同社はGoogleと協業し、ユーザーの検索ボリュームから消費者行動を読み取るプロジェクトを実施している。徹底した顧客目線のコンテンツ配信が、KRAFTの強みと言える。
2.P&G:ターゲットの絞り込んだコンテンツ配信
P&Gは、ペット愛好家のためのpetside.comというオンラインコミュニティを運営している。このサイトでは、ペットに関するニュース記事や品種紹介、行動アドバイスやトレーニング動画を配信しているほか、養子縁組のサポートまで行っている。
P&Gは、petside以外にも、主婦を対象とした家事情報サイトHome Made Simpleや、若い女性を対象とした美容情報サイトStyle Unitedといった、ターゲットを絞った情報サイトを運営している。ターゲットごとに異なるサイトを立ち上げ、刺さるコンテンツ配信を実施している点はすばらしい。
3.Orabrush:ユニークな動画配信
Orabrushは、舌ブラシというニッチな製品の販売を行っている。これまでTV広告等のマーケティングに5万ドルを費やしてきたが、ことごとく失敗していた。ところが、たった500ドルの予算で、口臭テストの動画配信を開始したところ、4,000万人以上のレビュー、34万人のFacebookファン、5,000人のTwitterフォロワーを一気に獲得した。ユニークな動画で、舌ブラシというアンセクシーな商品の知名度をあげ、大幅に売上を向上させた成功事例だ。
4.Core Power:SNSの活用とオンラインクラス
Core Powerは、米国最大のヨガの会社である。Core Powerは、SNSでユーザーとのコミュニケーションを取ることで、顧客との関係構築に努めた。さらに、ヨガのクラスの動画をオンラインで配信し続けた。その結果、売上、店舗を急激に拡大することができた。
5.Kinleigh Folkard & Hayward:オリジナル雑誌の出版
Kinleigh Folkard & Haywardは、イギリスの不動産会社である。住宅不況の最中、思い切ってハイエンドな住宅雑誌の出版を開始し、不況を生き延びた。その雑誌は、今やロンドンの権威ある雑誌としての地位を確立し、イギリスTOP10のブランドの1つとなっている。雑誌の中では、住宅に関する専門家や彼らの住宅の紹介が人気を集めたようだ。
まとめ
動画、記事、SNS、雑誌といったようにコンテンツマーケティングには様々な手法がある。ここであげた事例に共通する成功要因は、ターゲットとなるユーザーの潜在的なニーズを的確に把握している点だ。徹底的な顧客目線が、コンテンツマーケティングを成功に導くのである。
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