ECに向き・不向きな商品があるというのが、業界の常識だと思います。その常識をくつがえそうと挑戦している企業、それがロコンドとOh My Glassesです。
この2社は、靴や眼鏡といった、従来ECに不向きである考えられている“試着してから買う”事が常識となっている商品を、あえてECで売り出すチャレンジングな挑戦を行っています。
なぜこれらの企業は“試着してから買う”という消費者習慣を持った商品をあえてECで扱うことにしたのだろうか。
発想の転換で困難をチャンスに変える
皆さんも靴や眼鏡は必ず試着してから買うと思います。それは靴や眼鏡といった商品が【個別性】の高いものであり、デザインや値段以外の面での要因が商品選択に大きな影響を及ぼすからだと思います。したがってこれらの商品は、デザインと値段しか表現できないECサイトにとって取り扱いが非常に困難であると考えられていました。
この困難性をどのように乗り越えているのでしょうか。これら企業に共通する点は、本来ECサイトにとってコストでしかないと考えられている【返品】を前提として捉え、オンラインショップでありながら【顧客満足度】を高めることに注力している点にあります。
1.ロコンド
ロコンドは靴の専門ECサイトとしてスタートさせ、「買ってから選ぶ」というコンセプトのECサイト
返品ルール:99日間返品無料
サポート体制:靴の“コンシェルジュ”がオンラインで顧客密着型のサポート
2.Oh My Glasses
Oh My Glassesは「あなたに運命の1本を」というコンセプトの眼鏡の専門ECサイト
返品ルール:一度に5本注文可能で、5日間返品無料
サポート体制:全国600のリアル眼鏡店舗との連携で、購入後のアフターサポート
EC化が困難な商材ほど、大きな可能性を秘めている
上記のように、これら二つのサイトは従来ECサイトの苦手としていた
・試着して買うこと
・きめ細やかなサポートを行うこと
の二点に注力することで、リアルでの購買体験をオンラインへ移行することを試みたのです。
靴の市場規模は1兆円以上、眼鏡の市場規模も数千億円といわれ、それらはまだほとんどEC化されておらず、その潜在市場規模は計り知れません。靴や眼鏡のEC市場は、今後爆発的な成長が見込まれるのです。
両社の社長はともに外資系コンサル/投資銀行出身でかつMBAホルダーというバリバリの戦略家です。今後彼らのチャレンジングな戦略が成功するのか否か、興味はつきません。
まとめ
1. “試着してから買う”「靴」「眼鏡」をあえてECで扱う挑戦
↓
2. リアル店舗の購買体験を「返品を前提にしたサービス」「きめ細やかなサポート」で実現
(従来のネットショップが「コスト」とみなして注力しなかった工夫)
↓
3.EC化率が極めて低い商材で、ナンバーワンとなり飛躍的な成長を遂げる可能性
御社にも「これはネットショップでは売れない商品」「これはオンラインでは無理な顧客ニーズ」とあきらめていることはありませんか。誰もが無理と思う問題をクリアすることは簡単ではありませんが、困難の中には飛躍的な売上拡大をもたらすきっかけが眠っています。
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