中国、インドネシアなどのアジアを中心としたEC市場は、急激に拡大している。それに伴い、海外進出にチャレンジする日本のEC事業者も増えて来た。今回は、ECサイトを海外展開するために押さえておきたい7つのポイントを紹介しよう。

 

1.進出国にあった価格に設定し直す

国が違えば市場環境も全く異なる。安易に日本で販売している価格設定で商品を販売するのは避けよう。その国の競合他社をリサーチし、その国のマーケットにあった価格に設定するべきである。国はもちろん地域によって価格が異なることもあるので、進出前に徹底的に調査しよう。

 

2.現地通貨に対応しよう

商品画面や決済画面で他国の通貨が表示されると、多くの顧客は買い物することを止めてしまう。購買率を上げるためにも、必ず顧客が慣れ親しんでいる現地通貨で表示するようにしよう。

 

3.価格は切りの良い数字で表示する

日本では、1999円等の1円単位の価格表示までしているショップが多いが、それが必ずしも海外で良い効果を生むとは限らない。むしろ、顧客を困惑させる要因になることもある。複数の買い物をする時の暗算の手間を省き、顧客の購買における意思決定を簡素化するために、切りの良い数字で表示することも選択肢にいれよう。

 

4.現地に適した支払い方法を提供する

日本ではコンビニ払いが可能なECサイトが多いが、これは日本特有の文化である。海外には、その国の決済に関する文化が存在する。クレジットカードも先進国では一般的だが、発展途上国ではそうとは限らない。必ず現地で主流となっている支払い方法を調査し、それに対応するようにしよう。

 

5.税の表示方法に気をつける

国によって、税金の表示方法は異なっている。例えばアメリカでは、各州によって税率が異なる。これらを事前に調べ、その国にあった税額の表示方法に対応する必要がある。

 

6.現地に適した配送システム、カスタマーサポートを設計する

日本のオンラインショップで注文すると、ほぼ確実に、綺麗な状態でその商品は届く。しかし、配送システムが未成熟な国では、商品が破損する確率が高く、場合によっては届かないことすら起こりえる。そのような物流の違いを踏まえ、予め返品や料金の払い戻しができるよう設計する必要がある。

 

7.文化の違いを徹底的に調査する

基本的なことだが、進出したい国のユーザー行動や嗜好を徹底的に調査してほしい。例えば、Facebookは、日本語のログインページでは情報の公開範囲が設定できて安心だということを訴え、英語のページでは無料で世界中の友達とつながれることをアピールしている。このように、国によって見せ方のポイントが全く異なるため、事前に徹底した調査が必要になってくる。

 

まとめ 

いかがだっただろうか。世界のEC市場は、今年中には120兆円まで達すると予測され、アジアでは最も大きな成長が見込まれている。海外進出に潜むリスクを徹底的に回避しながら、果敢に海外ECの成功に向けてチャレンジしてほしい。