マレーシアのEC市場は200億円程度だ。日本やアメリカなどと比較するとまだ小規模の市場だが、インターネット普及率が60%とアジア諸国の中では高く、インターネット等のネットビジネスに必要なインフラ環境も早々に整備されているため、今後の高い成長が見込まれている。今回はそんなマレーシアで存在感を増しているECの事例を5つ紹介しよう。

 

ZALORA:東南アジアのZOZOTOWN、8ヶ国で展開中

 93-1

出典:ZALORA

 

日本で言うとZOZOTOWNに近いファッションECのZALORA。マレーシアに加えて、フィリピン・シンガポール・ベトナム・インドネシア・台湾・タイ・香港に進出している。主な製品はアパレルで、おしゃれな服を取り揃えている。

 

基本的には日本円で3000円近辺の商品が多く、日本の感覚だと安いと感じるかもしれないが、東南アジアでは少し高めの料金設定だ。しかしながらサイトのデザイン性と商品の充実具合からマレーシアでも大人気のファッションECサイトとなっている。運営はドイツに本社を構えるRocket Internetで、世界中で数多くのECサイトを運営している経験が存分に発揮されている。

 

Lelong:ネットオークションサイト

93-2

出典:Lelong

 

アメリカのeBayや日本のヤフオクがそうだったように、オークション系のECサイトはECの裾野を広げる良いきっかけになることも多い。 Lelongは、マレーシアで最初のオークションサイトである。売り手は自分のページを個別に作成し、そこで商品を販売できる。また、売り手に対する独自の査定基準がある上、買い手は売り手と直接コミュニケーションが取れるため、買い手の不安払拭にも配慮がなされている。

 

Blooming.:ギフト商品のECサイト

93-3

出典:Blooming  


Blooming  は、花やお菓子、フルーツバスケットなどのギフト商品を販売するECサイトだ。美しい写真と分かりやすい価格表示、検索しやすいナビゲーション、商品の追跡機能など、顧客の購買体験を向上させる配慮が至る所になされている。


Ked.ai:マーケットプレイス型モバイルコマース

93-4

出典:Ked.ai 

 

Ked.ai は、商品の出品登録を徹底的に簡素化したマーケットプレイス型のモバイルコマースだ。写真をアップロードするだけで自動的に商品名やジャンルを認識し、登録してくれる。また、売り手側に対して優良な販売者かどうかの評価がなされ、買い手はそのレートを見て買い物の判断ができるようになっている。 このように、最近ではモバイル端末の急速な普及を背景に、モバイルに特化したEC先進国顔負けのECサイトも登場してきている。

 

Sereni & Shentel:ヘッドバンドに特化したECサイト

93-5

出典:Sereni & Shentel  

 

Sereni & Shentel  は、ボルネオ島に活動拠点をおく女性が運営するECサイトだ。商品は、デザイン性に優れたユニークなヘッドバンドのみを取り扱っている。強みは、ここでしか買えない商品だ。多くのセレブが愛用するほど、その知名度が高まっている。

 

まとめ

 

これから伸びてくるマレーシアのEC市場。まだまだECのジャンルは少ないが、ECサイトのモバイル経由のトラフィックは20%と予想されるなど、楽しみな部分が多い国だ。参入のチャンスがたくさんありそうなので、アジア地域の中でもポテンシャルのあるマレーシアから、今後も目が離せない。