出典:為替イメージ
日本だけでなく急成長する海外のEC市場を狙った展開を考える事業者は多いのではないだろうか。今回は、ECの海外展開の際に最も気になる各国の決済手段に関する動向を紹介しよう。
アメリカ
経済産業省の報告書によると、2011年のアメリカのEC市場規模は約16兆4900億円、EC利用者が 1 億 4,080 万人、EC 利用率 71.2%であった。
決済においては、クレジットカードが60.3%、デビットカードが49.0%と、この二つの支払い方法が多いのが特徴だ。また、Paypalといった第三者支払いサービスが30.6%と比較的高い割合で活用されている。また、モバイル決済市場の拡大が著しく、Forresterによると、2012年の約1兆2800億円から2017年には約9兆円と7倍に拡大する見込みである。
中国
中国のEC利用者は2010年に 1億 6,051 万人(人口の35.1%)、2011 年には 1 億 9,395 万人(37.8%)に達している。また、2011年のEC市場は約9兆7820億円に達し、2015年には16兆まで成長すると言われている。
決算においては、第三者支払いサービスの利用者が多いのが特徴だ。中国のEC市場の8割をCtoCが占め、各プラットフォームが提供する決済システムが使われるためだ。プラットフォームでは、「支付宝(Alipay)」の利用率が最も高い。
フランス
フランスのEC市場は、ヨーロッパで特に活発だ。2010 年のEC市場規模は、約1兆9,900億の規模に達した。ヨーロッパ全体では、2011年の 約12兆8400億円から、2016年までには約22兆 8412億円まで上昇する見込みだ。
決済においては、デビットカードが8割を占める。また、第三者支払いサービスであるPaypalの利用率の高い点が目を引く。アメリカ発のPaypalは欧州では広く受け入れられている。ここは日本とは違う部分なので、要注目だ。
インドネシア
2013年のインドネシアの市場規模は約1800億円と予測され、アジア一の成長率を誇る。インターネット人口数は、日本の総人口を超える1億3500万人にまで達している。
決済においては、多くが銀行振り込みで、次に代金引換の利用者が多い。一方で、クレジットカードの所持率が総人口の3%に満たないため、クレジットカード決済は非常に少ない。
ベトナム
ベトナムは政府が「2010~2015 年電子商取引発展計画」を策定し、主にBtoBのECに力を入れている。Eコマース市場は2013年に約686億円規模で、2015年には13億ドルに達する見込みだ。約1288億円まで達すると予測されている。
決済においては、代金引換が9割を占める。電子決済に関しては、実物の確認後に支払う習慣が根強くあるため、まだまだ普及には時間がかかりそうだ。
まとめ
ECの決済手段は、各国の文化や通信環境、政府の方針などで全く異なる。海外ECを展開する際は、現状の決済手段だけでなく、今後急速に伸びそうな決済手段も含めて調査し、現地に適した海外ECを展開してほしい。
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