136

ネットショップを運営している人にとっては、その成功率や成功する割合というのは気になるものでしょう。今回はネットショップでの成功率と成功するために忘れてはならないことについて考えてみたいと思います。

簡単に開業できる世界、だが・・・

90年代後半以降、ネットショップの開業は大変身近なものになりました。副業なども含め、ネットショップの開業が多いのは、その敷居が低いからでしょう。

わずかな投資でできる、個人の趣味の延長での出店が可能、ちょっとしたインターネットの知識があれば簡単なホームページくらいは作成できる・・・など、様々な理由で簡単にネットショップを始めることができます。

しかし、多くのネットショップが利益を上げることができないまま廃業していることも忘れてはいけない事実です。敷居が低く参入者が多いですが、その分経営戦略や方針をはっきりと定めないまま見切り発車してしまうネットショップは、その多くがすぐにその現実の厳しさを突きつけられているということです。

成功率はどのくらい?

では、ネットショップの成功率はどのくらいなのでしょうか?

開業した初年度の廃業率は30%、それ以降の廃業率は約50%と言われています。その残りの50%のうちも、確実な利益を上げて成長している、いわゆる「成功した」といわれる状態にまでなれるのは、約1%程度のようです。実に厳しい現実だと言わざるをえないのではないでしょうか。

では、その厳しい世界の中で生き残って行くためには、どのような運営をすればいいのでしょうか。

その商品は売れますか?

売り方や経営方針以前に、「何を売るか」ということがネットショップでは非常に重要になってきます。その「何をどのように売りたいのか」というコンセプトを間違えてしまうと、成功する確率は一段と低くなってしまいます。

ネットショップに向いているもの、それはオーダー品、他では手に入りにくいようなもの、

大手が売っているものを確実に安く提供できる、実店舗で中々買いにくい物、などです。

何を売るのか、思い込みのみで判断せず、継続的にその商品で売上を上げていけるかを今一度検討してみましょう。

数字をきちんと理解できるか

ネットショップは販売であり、経営です。経営であるということは、様々な数字を把握し分析しなければならないということです。

売上金額や販売数量だけではなく、アクセス数、転換率など、様々な「数字」がネットショップの経営にはついてまわります。それらの数字の意味を正確に捉えて分析し、反省材料として運営に反映することができますか?

それらができないまま、漠然とネットショップを続けていても改善方法すら見つけることができないでしょう。

売上「だけ」上がっていてもダメ

ただ売上を上げるだけではいけません。そのための経費を頭に入れて、論理的な運営を心がけましょう。

大手ショッピングモール内で売上を上げていたはずなのに、赤字が続いてしまった、ということは十分に考えられます。大手のモール内で目を引き、お客様に来てもらうということは経費がかかります。割引や送料無料セール、様々な身を削るキャンペーン企画で売上は上げていたとしても、結果経費の方が上回ってしまいます。

「大手のショッピングモールに出店さえすればいい」「売上が取れているからいい」という思いが、同じ場所で同じ手法による販売を続けることになり、結果として利益を上げるための経営戦略を損なうことがあります。

新しいことを勉強する努力ができるか

インターネットは言うまでもなく日進月歩の世界です。新しい宣伝方法、新しいシステム、新しいネットモールなど、次々と生まれています。それらの情報をきちんと手に入れ、新しいものについては勉強する努力ができていますか?

ネットショップの運営を指南してくれるセミナー、本、インターネットのページは多々あります。他人の意見を聞くということは重要なことです。思いつかなかった発想などが得られることもあります。

厳しい世界だからこそ

以上、ネットショップの成功確率について考えてみました。「成功する」というのは大変難しいことです。

成功率1%、と言われるとやっても無駄ではないか、と思われる方も多いかもしれません。しかし、どのような姿勢で臨むのかが大切です。無策で初めてしまえばそれは成功するはずがありません。そして自分の思い通りに進まない場合、試行錯誤し、予想外の事態に運営のやり方を変えなければならない時も来るでしょう。

そのような事態に柔軟に対応し、冷静に現実を見極めて正しい方向への努力を怠らなければ、厳しい世界であっても、必ず一定の成果が得られるのではないでしょうか。