近年私達の身の回りでは、ガラケーと言われる従来の携帯電話から、iPhoneやAndroid端末のように様々な拡張性・可能性を秘めた「スマートフォン」(※以降「スマホ」)が主流の時代へとなりました。
通信技術の発達により、スマホでスピーディなインターネットのサイト閲覧が可能になった点は、ECの市場規模を拡大させる起爆剤となりました。しかし、拡大するばかりで収束を見せないその市場規模は、いまや未知数のものとなっています。
では今のスマホにおけるECの市場規模はどのくらいのものなのでしょうか?今回は日本国内と世界のスマホECの市場規模を説明していきたいと思います。
スマホECの市場規模 日本国内編
まずは日本国内のスマホECの市場規模を見てみましょう。
MM総研が今年の1月29日に発表した個人消費動向に関する市場規模調査の結果によると、2013年度の国内消費市場全体に占めるECの市場規模は15.9兆円と算出されました。
その中でもスマホの利用比率は2.6兆円と、EC全体の16.3%を占める割合になっています。
この結果を見ると、従来予想されていた市場規模予測よりも大幅に高い割合での成長となっています。これからますますECにおけるスマホ利用者を取り込む動きが重要になることを示唆しているでしょう。スマホのECアプリ開発がいっそう活発になってくることも予想されます。
スマホECの市場規模 アメリカ編
EC先進国のアメリカでも、スマホの普及により、EC市場に大きな変化が見られるようです。
デジタルマーケティングに関する調査を行うeMarketerの予想によると、2011年には67億ドル(約6800億円)の米国のモバイルEC市場は、2012年には73%増の116億ドル(約1.2兆円)、2015年には310億ドル(約3.2兆円)まで伸びると見込んでいます。
その背景にはやはり、スマホやタブレット端末の普及によるモバイルインターネットの利用率の急増が要因としてあるようです。
スマホECの市場規模 中国編
次は中国の市場規模を見てみましょう。
2011年時点でのEC市場規模は5兆円程度だった中国ですが、2012年には11兆円、2013年には18兆2000億円と、恐ろしい成長率を見せると予測されています。その成長は留まることなく、日本の市場規模を越えて世界第2位となる見込みで、2015年には単独で市場規模が40兆円に達すると言われています。
そしてモバイルECユーザー数の推移ですが、2009年に3600万人、2010年に7700万人、2011年に1.5億人、2012年に2.5億人、2013年に3.725億人と、スマホの伸びに合わせて驚くほど飛躍的な伸び方をしているのが分かります。
しかしそうは言っても、モバイルECの取引規模では、2012年は965億元(約1.6兆円)、2013年には1300億元(約2.1兆円)規模で、伸びているとはいえ、まだまだEC市場全体の10%程度の割合に過ぎません。
これからますます成長し、市場競争は激化することが予想されます。
スマホECの市場規模 EU
EUにおけるECの市場規模は2012年に約25.6兆円、2013年に約29.2兆円と、14%増で比較的安定した成長を見せています。
このように、不況の国がある中でも安定した成長を見せている背景には、2012年から2015年までにEUのECでの市場規模を倍増させようという計画があるため、その影響が強く顕われているように思われます。そしてEUでもアメリカと同じようにモバイルにおけるEC市場が好調です。
2013年だけで、モバイル経由の売上は2倍も伸びていることからもその好調さが見て取れますね。
おわりに
今回は日本やアメリカをはじめとするEC先進国でのスマホECの市場規模を説明しました。
アメリカ・日本は先進国らしく比較的安定した市場規模を保っていますが、中国がそれを猛スピードで追いかけているといった状況です。不景気で個人消費が落ち込むと言われる時代にもかかわらず、世界のEC市場は成長しています。
そしてその中でもスマホでのEC利用者は著しく拡大しています。これからのECサイト運営で無視することの出来ない顧客層です。スマホでのEC利用者層を上手く取り込むために、ECサイト運営者の方は、新しい経営計画を考えてみるのも一手ですね。
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