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通信技術の発達とスマートフォン(※以降スマホ)の普及により、現代人のインターネットのECサイトなどを閲覧する時間は増えています。それはこの記事を読んでいる方にも当てはまることではないでしょうか?

 

スマホのECサービスを利用する人は増えていますが、まだまだスマホが普及し始めて10年も経っていません。まだまだスマホEC黎明期と言える今、スマホのECサービスの利用動向はどのようになっているのでしょうか?

 

今回はそのあたりを様々な調査の結果を通して説明していきます。

調査結果1 スマホのECサービス利用率は少ない?

2013年1月時点のライフメディアの調査によると、ネット通販で使うデバイスは「パソコン」が97%と最も多く、「スマホ」は13%程度となっています。

 

スマホでECサイトを利用しない理由としては「画面が見にくい」「操作がしづらい」などが挙げられています。

 

しかし、2013年はスマートフォンの普及が一気に進んだ1年となりました。総務省が2013年6月に発表した通信利用動向調査の結果によると、世帯別のスマホ保有状況は2012年の29%から50%弱に急増し、タブレット端末は9%から15%に伸びていることがわかりました。

 

この影響はECにも影響しており、2013年10月に矢野経済研究所が発表したスマホEC市場の調査結果によると、国内のBtoCスマホECの市場規模は、2012年で8450億円だったものが、2013年には前年比159.4%の1兆3469億円に成長すると見込まれています。

 

また、2014年は、2013年にEC利用経験比率が50%程度だった30代を中心に、スマホECへのシフトが進むことが予想されます。同研究所では、国内BtoCスマホECの市場規模は2014年で前年比151.6%の2兆413億円、2015年で2兆6,677億円を超える規模になると予測しており、スマホEC市場の急成長を予見しています。

調査結果2 スマホECサービスの利用者層は?

矢野経済研究所の調査結果によると、EC利用経験の比率が最も高いのは「20代女性」で74.0%という結果でした。それ以降には、「10代女性」の55.0%、「30代男性」と「30代女性」の50.0%が続いています。

 

この調査結果も明らかなように、10代から30代の女性を中心にスマホでのECサービス利用が進んでいることが伺えます。

 

男性がECサービスを利用する際においては、PCの大きな画面で商品を比較・検討し、慎重に商品を選ぶ傾向にあります。買うものが予め決まっていたり、少額の日用品などであればスマホでも購入する動機になるのでしょうが、まだまだスマホでのECサービス利用の敷居が高いように思われます。

 

一方で、女性には、アパレル系のスマホのECアプリなど、スキマ時間にカタログのように閲覧して気軽にショッピング出来る環境が整っています。また、最近では、昨年11月にリリースされた女性向けショッピングアプリとして「Locari」がありますが、このアプリでは自分が欲しい商品を探すのではなく、運営者が厳選したアイテムがアプリ内に表示され、それを選択して購入する仕組みになっています。購入者の潜在的なニーズを呼び起こすことで、女性向けアイテムを販売するECショップに貢献するのが狙いです。

 

女性のスマホEC利用率の高さには、このような新しいECサービスやUX (User Experience=購入体験)を提供するためのアプリ開発も関係しているのかもしれません。

調査結果3 国内メジャーECサービスもスマホへとシフト

ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの決算説明資料によると、2014年第第一四半期で売上の43%がスマホからとなっています。従来の携帯電話(ガラケー)がどんどん減り、PCがじわじわと減る一方で、スマートフォンが急拡大してきている印象を受けます。

 

また、2013年7月の楽天カンファレンスによると、楽天市場の中ではジャンル毎に傾向が異なっており、やはりファッションの売上げに占めるスマホの割合が高くなっています。

 

ZOZOTOWNでも明らかになっているように、ファッション通販のサイトはスマホ第一主義の世界が迫っているようです。

おわりに

今回はスマホでのECサービスの利用動向を見てきました。

 

矢野経済研究所の調査結果は非常に興味深いもので、これからのECはスマホによる利用がどんどん拡大し、市場もスマホ向けのものへとシフトしていくことを示唆していました。