iBeaconが発表されたのちに、iPhone6でNFCが搭載されるという噂が流れたりと規格争いが激化していることを感じられるかと思います。
しかし、そもそもBLEとNFCは仕組みから活用方法まで大きく異なります。それぞれの特徴、活用方法について整理しておくことでBLEとNFCそれぞれが今後どのような発展をしていくか考えやすくなるのではないでしょうか。
MobilePaymentsTodayに掲載されていたインフォグラフィックスをもとに各項目についてまとめました。
改めて比較をしてみると、BLE(Bluetooth Low Energy)もNFC(Near field communication)も仕組みからユースケースまで大きく異なるものです、決済のレイヤーで見ると覇権争いはあるかもしれませんが仕組みとしてはどちらもそれぞれの特性に合わせて残っていくのではないでしょうか。
BLE Beacon方式ではユーザが特定の領域にいるときに、リテーラーがユーザのスマートフォンにプロモーションをかけたり、クーポンやオファーを提供することができます。小売業者のモバイルアプリの付加価値をつつけることができます。
NFCはそれを行うことはできませんが、逆にBLE Beacon方式ではできないような近距離での細かい情報の出しわけが可能です。
次世代iPhoneからNFCが搭載されるという噂が昨今ありますが、実現した場合モバイル決済領域における企画としてはNFCが優勢になると考えています。
BLE(Bluetooth Low Energy)とNFCの比較
BLE |
NFC |
|
仕組み |
マッチ箱程度の大きさのデバイスから発信される、Bluetooth Low Energy(BLE)技術を使った、ワイヤレス電波をスマートフォンで受容 |
1cm四方程度の大きさのNFCタグとNFC対応スマートフォン間で通信 |
通信範囲 |
近距離無線技術を用いているので数cmから数mまで通信が可能 そのため店頭内に複数設置し相対的に店舗の中でどこにいるのか判別することが可能 |
~10cm未満での利用 |
デバイス |
iOS/Android/Windows Phone8/Black Berry |
Android/Windows Phone8/Black Berry (次世代iPhoneからNFC搭載とのうわさもあり) |
OS |
iOS7/Android4.3以降 |
Android4.0以降/Windows Phone 8/Black Berry X |
技術の歴史 |
2006以降 |
1940年代以降 |
ユースケース |
一対複数コミュニケーション |
一対一コミュニケーション ユーザがNFC端末にスマートフォンを近づけた際に通信が行われる |
使い方 |
BLE beaconからの通信をきっかけにユーザは通知を受け取る |
ユーザの利用意志に合わせて随意利用可能(好きなタイミングでNFCタグの読み取り) |
位置情報活用 |
BLEの強弱をもとに距離を算出可能。また、三点測量の要領で位置を特定するなども可能 |
NFCタグの場所が固定化されていればユーザの位置を特定可能 |
電力消費 |
各Beaconデバイスにバッテリーを搭載する必要があるが、微弱電波を使うため2年程度はバッテリーの交換が不要 |
バッテリー不要 |
プライバシー |
Beaconの設置範囲内でのユーザの動きをアプリを通じて特定することが可能 |
NFCタグでの通信が走るタイミングでのみ特定が可能。それ以外の場合は不可 |
導入コスト |
Beacon端末一台当たり\2,000~\3,500 (estimate beaconの場合3つで\10,000) |
タグあたり\10~\60 種類やメーカによって価格は異なる |
モバイル決済への活用 |
前提として、店頭のPOSの改修が必要になる。Beacon経由でユーザのアプリケーションへ通知が飛び、ユーザがアプリ経由で決済を行うと店頭のPOS上で感知し、承認を行うことで決済が完了 |
NFC対応端末の設置を行うことで決済を行うことができるようになる。端末以外の改修は特段必要としない |
クーポン活用 |
その場でBeacon経由でクーポンなどのオファーを行うことが可能 |
事前にユーザがクーポンを登録しておきそれを決済のタイミングで利用 |
参照:BLE vs. NFC: The future of mobile consumer engagement now [infographic]
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