先日、IVS(Infinity Ventures Summit)が実施されましたが恒例のLaunch Padで今年も
たくさんのおもしろいサービスが発表されました。
その中で今回は準優勝に選ばれたSPACEMARKETのような空間貸出サービスをいくつかご紹介したいと思います。
自宅や小さなスペースなどこれまで貸し借りが発生してこなかった分野で新しいマーケットが作り出されるのではと期待しています。一方で旅館や民宿業者には大きな脅威になりえるかもしれません。複数のサービスについてまとめてみることで”余剰”をビジネスにつなげるヒントが見つかるかもしれません。
早速、各サービスについてみていきます。
■Airbnb
2008年8月創業/本社カリフォルニア州サンフランシスコ
こちらはすでに有名になりましたが個人間で宿泊場所の提供、宿泊の予約ができるサービスです。
2013年は世界で600万泊以上の利用があり、すでに250万円以上売り上げた人もいるそうです。
会員の本人認証制度やレビュー制度もあり泊まる人と泊める人それぞれが顔の見える人と人との
つながりを大切にしています。
また24時間365日のサポートやホスト(泊める人)への保障制度なども充実しています。
ただ日本国内では宿泊場所の提供においては基本的には旅館業法の下に各都道府県の営業認可が必要となり、今後の国内でのサービス普及においてはこの点の何かしらの解決策が必要になるかと思います。
※旅館業法について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei04/03.html
ただし先日政府より発表された、国家戦略特別区域及び区域方針により都内の指定された
エリアでは旅館業法の規定は適用されないこととなりました。
まだ要件は検討中ですが10日以上の賃貸契約や、外国人向けであることなど制限はある程度
残ると予想されます。
※国家戦略特別区域における旅館業法の特例について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/260121_kourou_ryokan.pdf
Airbnbは、PayPalを子会社に持つeBayが買収をしたBraintreeを決済の仕組みとして導入しています。オンラインとモバイルでサービスを強化をしているサービスに広く導入されているBraintreeを上手く活用したこともまた成長の一つの理由になっています。
■SPACEMARKET
先日のIVS内のLaunch Padで準優勝したのがこちらのサービスです。
2014年4月創業/本社東京都
Airbnbのように宿泊場所のレンタルもありますがそれよりも、
映画館やお化け屋敷や寺などユニークな空間のレンタルができることが特徴だと思います。
例えば映画館は151,000円/時間で借りれるそうです。
宿泊のみならず結婚式や会社の合宿やいろいろなイベントなど利用用途は非常に広いので
今後掲載されるスペースが増えていくことが楽しみです。
また時間という面でもスペースによって1時間単位の貸し出しもしているようなので使いたい時間だけ借りられるのも嬉しいですね。
決済はクレジットカード決済、ネットバンク決済に対応しており、一部銀行振り込みも対応しているようです。
■PEDALRest
2013年11月創業/本社東京都
こちらはKDDI∞Laboの第5期に採択された遊休スペースを駐輪場として貸し出して土地を有効活用するサービスです。私も都内で自転車を以前は乗っていたのですが駐輪場がなくて困ったことが何度かありました。
こちらのサービスではまだ登録駐輪場は少ないようですが驚いたのはその価格の安さです。例えば渋谷区初台にある駐輪スペースの価格はなんと1,000円/月です。会社の近くにある有料駐輪場が8時間100円なので平日毎日使ったとすると約、1000円前後お得です。
飛びつくほどの安さではないかもしれないですが必ず使うものであれば少しでも安く利用したいですよね。
また現在は月極サービスのみということですが今後時間貸し駐輪場の展開を準備しているそうなので今後自転車の停める場所に困ることがなくなることを期待します。
気になったこととしては紹介動画を見る限り指定されたラックに泊めるようなのですが
違う人が勝手に停めていたらどうしたらいいのだろうかというところです。またラックの形状は自転車のホイールやフレームと一緒に鍵をつけられるかどうかも気になりました。とはいえ目指す世界観はすごく素敵なもので個人的にもサービスを利用することや他の方法でも応援していきたいサービスです。
決済はPayPal、クレジットカード、銀行振込に対応してるようですがβ版のサイトではクレジットカードのみの入力フォームがでてきました。
■まとめ
一言で空間貸出サービスといってもターゲットや目指している世界観は様々ですべてが
ユニークなサービスだと思います。
これまでお金が発生しなかった”場所”でお金が発生するようになることでマーケットとしての成長が期待できると思います。
また一方でこういったサービスが普及することで従来のホテル・旅館業界や駐輪場経営事業者も何かしらの対応をせざるをえなくなると思います。今後の各プレイヤーの動向から目が離せません。
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